人工歯肉付き補綴装置の有用性

今回のブログはやや専門的なお話になります。その為、なるべくわかりやすくする為に、(※、、、)の注釈文を掲載させて頂いております。どうぞよろしくお願い致します。

先日、上顎において、人工歯肉付き補綴装置の早期荷重(※インプラント手術後48時間以降の仮の歯の装着)をおこないました。今回の術式のポイントは人工歯肉です。これを設計する事により、以下のおおまかなメリットがあります。

・手術回数軽減と期間の短縮化(※歯肉移植・口腔前庭拡張術等の軟組織手術をおこなわない為)
・審美性の向上(※人工歯肉と人工歯の幅・大きさの調整がしやすい為)
・清掃性の向上(※粘膜面と人工歯肉の隙間が分かりやすくなる為)

デメリットをしいてあげてみます。術前の顔貌とお口の模型対し、ワックスで予測した歯を作製し診断します。これに基づくボーンリダクション(※インプラントを埋めこむ為に、骨を整える事)の量の予測は、口腔インプラント専門医でないと少し難しいかもしれません。また、軟組織と補綴装置の厚みに応じて、マルチユニットアバットメントの高さの選択しなくてはいけません。(※その分、部品のコストがかかる)ただ、アバットメントの高さの選択は、口腔インプラント専門医からすると、当たり前のことであるため、特にデメリットとは感じません。

今回はインプラント手術後、早期荷重をおこない、仮の歯を装着しました。今後は仮の歯を調整し、適切なスマイルライン(※笑顔の時の歯並びの規則)を踏まえ最終的な補綴装置(※インプラントの人工歯)製作へ移行します。
インプラント補綴は様々な方法があります。ご質問がある患者様は、お気軽にお声掛けください。